テレビを購入する際、最適な大きさとは?
サイズの決め方の一つに、視聴距離で決めるというものがあります。よく言われるのは、画面の高さの3倍が最適な視聴距離というもの。
さらに、4Kや8Kテレビでは、1.5倍と言われています。しかし、1.5倍はかなり近いです。映画館ならだいぶ前列での視聴状態です。
図の水平視野角60°になる位置はテレビ画面の高さ1.5倍の距離に相当し、水平視野角32°の位置はテレビ画面の高さ3倍の距離に相当します。(水平視野角のみに関することで、スクリーンの高さは計算上関係ありません。)
50Vのテレビ(画面の高さ62.3cm)に換算すると以下の図のようになります。(ちなみに、画面上下に黒帯が表示されるシネマスコープ〈2.35:1〉の場合では、縦方向に関しても映画館の視覚的距離感を再現できます。)
しかし、映画館での最適な視聴距離というものは、水平視野角36°〜45°になる位置のようです。個人差はあると思いますが。
これを、先程の50Vのテレビに置き換えると以下のような距離となります。
水平視野角36°になる視聴位置はテレビの高さ2.73倍、40°は2.44倍、45°は2.14倍となります。
ちなみに、この36°という視野角は、THX社が推奨しているものです。(THX社はルーカスフィルムの1部門としてスタートした会社。主に映画館や家庭用AV再生機器の品質チェックを行っています。)36°という視野角は、一番奥の座席でも確保する必要があるとしています。また、40°というのは、HDTVにおける最も没入できる視野角として推奨しています。
これらは、人間工学に基づいた理論上のものであるので、実際には個人差があると思われます。下の図は、視野角の説明図です。
視野角の広い人なら、映画館の最前列も苦ではないのでしょうけれど、一般的には視野角40°ぐらいが良さそうですね。なので、画面の高さの約2.5倍(2.44倍で視野角40°)と考えたほうが良いと思います。しかし、これは映画などの映像コンテンツの場合であって、3Dゲームなどでは視野角60°を超えできるだけ近いほうが没入感は得られると思います。