畳の基本サイズ
比率は1:2で、短辺が90cm(約3尺)の場合、長辺が180cm(約6尺)。この面積は90cm×180cmで1.62㎡。
この1.62㎡以上の大きさがあれば1畳分と、「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」で決められています。
ただしこの規則では、面積を決めているだけなので、比率は1:2である必要はありません。
畳の規格
畳には決まった規格があり、以下が代表的なものです。
京間(本間、本間間、関西間)/6尺3寸(約191cm)×3尺1寸5分(約95.5cm)
江戸間(五八間、田舎間、関東間)/5尺8寸(約176cm)×2尺9寸(約88cm)
この他に、中京間(三六間)や佐賀間(六一間)、安芸間(六二間)など地域よる違いがあります。
畳の規格の成り立ち
室町時代まではさまざまな寸法が用いられ統一性はなかったそうです。その後、桃山時代の頃に畳や建具の互換性を確保するために考え出されたと言われています。
この頃の建物は1間(けん)を6尺5寸とする柱割りで、間口2間の建物に畳を敷き詰めるには、畳の大きさを長辺6尺3寸にするとちょうど収まるところから定まったと考えられます。
また、もともと建物の柱と柱の間を指す「間(けん)」を、租税計算を目的とした土地の測量時に長さの単位として用いられ、豊臣秀吉は太閤検地で1間を6尺3寸と定めたことも影響していると言われています。
江戸時代になると庶民にも畳が普及していきました。江戸庶民の住まいである九尺二間の裏長屋には4畳半の畳が敷かれました。この時代の1間は年貢徴収を増やすため6尺になりました。1間=6尺は建築にも用いられ、九尺二間の裏長屋の畳の大きさは、5尺8寸×2尺9寸に定まったと考えられます。(柱の太さの2寸は、建築費が安価かつ、破壊消火を容易にするためとのこと。)
庶民への畳の普及により各地で畳の規格化が進み、住宅の設計は柱割りから畳割りへ変化が起こり畳割の住宅が増えていきました。しかし、主流は柱割りのままで、畳は建物に合わせてつくることが一般的だったようです。
現在の畳の大きさ
現在、規格化された畳を敷いた畳割りの建物は古民家やお寺などに残るだけで畳割りの住宅はあまりつくられていません。
現代の住宅は、910mmのグリッドで設計される尺モジュールが主流です。尺モジュールの木造住宅における畳の大きさは、1740mm×870mmの江戸間に近いサイズが一般的になります。
しかし、高度経済成長期の集合住宅においては、団地間というサイズが普及しました。鉄筋コンクリートの建物に収まるように作られた規格と考えられます。
近年のマンションにおける畳のサイズは、1畳1.62㎡以上というルールはありますが、芯々面積となるので、戸境壁が厚いほど畳そのものの面積は小さくなり、畳の比率も1:2ではない変形したものとなります。
2.7m×2.7mは、7.29㎡となり、これは1.62㎡×4.5(畳)の7.29㎡と等しいので、表記としては4.5畳と表記できます。(右下の板の間も含めて4.5畳と表記できます。)
茶の湯の世界では、京間の畳が使われます。日本最古の茶室「待庵」は千利休がつくったとされ、畳の大きさは京間の大きさです。